Monday, December 18, 2006

SILMIDO ‐シルミド‐ 

★★☆☆☆

1968年南北の緊張が高まる中、北朝鮮のキム・イルソン暗殺による祖国統一を目的とする特殊部隊を作るため、シルミド(実尾島)に31名の犯罪者(重犯罪死刑囚等)が集められ、684部隊訓練兵としての過酷極まる訓練が始まる。1971年、訓練終了で任務遂行にはやる部隊。それと時を同じくして南北融和のムードが高まり、政治的に隠蔽したい事実として684部隊員を抹殺しようと上層部が動く。闇に葬られた衝撃の真実。

忙しいはずの師走に時間を持て余している日曜日、ガツンとヘビーな映像を見たくなった。シルミドは、観客動員数1200万人!空前絶後の大ヒット作!と言う事もあり前から気になっていた。

ここ数年、冬ソナ以来の韓流ブームで注目を浴びている韓国映像。最初はアンチな感もあったが、ある映画のお蔭で一蹴されて以来ちょくちょく見ている。これは、そんな僕が見た数少ない韓流の中でも、史実に基づく重いテーマを持った作品ながら、質の高い娯楽映画としても楽しめた一本だった。

キャラクターの個性を上手く織り込み、喜怒哀楽を通して軍部、政治、一兵士達、それぞれの人間味溢れる演技は素晴らしい。主役のソル・ギョング(カン・インチャ役)の押し殺した芯の強い演技が渋い。

文化背景の含みが分らない所で多少?となるシーンも有るが、そこは人間同士何と無く分かるもの。罰としてバット位の棒切れでガンガン殴りつけるシーン(いたる所に)は、日本兵の名残?と思った。徴兵制度が今の所無いのはありがたい。

エンディングで情報操作された事件ファイルが事務的に処理され、歴史の闇に葬られ現代に至るまでの時間の流れのシーンは秀逸だ。全く関係ないが、このエンディングに感心しながら最近の官僚達の様々な不祥事が頭をよぎった。お国仕事ってものはどこでも同じなのね。

映画情報とお気に入りの役者

SILMIDO ‐シルミド‐(03)
カン・ウソク監督
韓国

カン・インチャ役(684部隊第三班長)
ソル・ギョング
1968年生まれ 演技派俳優 燃ゆる月(00) ユリョン(99) ディナーの後に(98)等


チェ・ジェヒョン役(韓国空軍隊長)
アン・ソンギ
1952年生まれ 国民的俳優にして多彩な活動を展開 MUSA ‐武士‐(01)等、多数

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