Saturday, February 03, 2007

お誘い


INDIAN BRIDE
INDIA 2000
Gelatin Silver

毎年友人宅で恒例の忘年会があり、去年の暮れにそこで一人の女性と出会った。彼女がその部屋に入って来たときの印象は、何というか・・・目が釘付けになった。回りの皆にからかわれるほど、呆けていたようだ。

正直なところ容姿に関してはそれほど好みでもないし、その後は席の配置上殆ど話す時間も無かった。にもかかわらず気になる・・・、何なのだろう?と言う不思議な気持ち。

お開きになった後で思い出したのだけれど、遡る事2週間前、先輩とその彼女と飲んだときの事。店には彼女が先に一杯始めており、我々は後から到着。

開口一番彼女が、けん君の右方にソバージュっぽい女性が見える、なんかオレンジっぽい感じかな・・・。えっ?おいおい、何それ?特に何かが憑いているとかではなくて、瞬間的にそう感じたらしい。

実は、その彼女の言った事が、全てこの時に会った子に当てはまっていたのだ。髪型と服の色・・・。思い出した時はちょっと怖いものを感じた。

年末以来たまにメールをしたりして、僕もオープニングなんかに誘ってみたものの、仕事の都合で会うことは出来なかった。そんな彼女から、ミュージカル鑑賞のお誘い!NYCでは、オフ・ブロードウェイも含め殆どの出物を見ていたくらいのミュージカル好きとしては、喜んでOK。

ちょっとオカルトチックな前置がある分、楽しみ。もしかしたら運命の出会い?来週末は久々のデートです。

Friday, February 02, 2007

気になってた映画


JAPAN 2006
Gelatin Silver

今日はずーっと前から気になっていた映画を見た。かれこれ恐らく8年位。何だろね、頭がフラッシュバック状態。ヴィンセント・ガロ、彼のマルチぶりには頭が下がる。

感覚的でコミカルでノスタルジックな映画。90年代の映画も相当見たが、まだ見てないものが在ったなぁ~と思う。あの頃は町にも映画にも失望、写真はスランプ・・・やさくれついでの飲んだくれ。写真として残っているもの以外、僕の記憶は全て空ろ。

同時代に同じ場所で活動していた人間の作品と言うものは不思議だ。映像の中に簡単に入り込める。そこに時代の痕と匂いが染み付いてるのだろう。寂れたバッファローのダウンタウンを背を丸めて歩いているシーンは凄くいい。

僕の入れる映像は殆どがB&Wの匂いがする。脳の深部に染み入るようなノスタルジックなトーン。色は色として記憶に残らず、曖昧に見知らぬ記号のようにそこに在るだけ。記憶のフラグメントが独特のトーンを放ってランダムにつながって行く。

バッファロー66、感想と言うよりも感覚として残るとても面白い映画。

バッファロー66 (98)
ヴィンセント・ガロ監督・主演・脚本・音楽

Thursday, February 01, 2007

酔えるようにはなったけど


AMERICA 1998
Gelatin Silver

この頃はクイーンズ中を遠征しながら飲み歩いていた。元々エリアでNo1の呼び名の高かったBroadway Tavern とレズビアンチームのAlbatross、お互いのバーに行って賭けゲームをしたものだ。負け組みが勝ち組みの払いで指定されたリッカーのショットを一気飲み。よく飲んだのは、喉と胃が焼けるBACARDI 151 、朝までやるので皆ベロベロ。

Broadway の方は有色人種の多い混合メンバーで、特にこの男シーモがどこに行ってもトラブルを起こす。トラブルは毎度の事であの頃は相当呑んでいても、外では気が張っていて酔うことはなかったが家に帰るとぶっ倒れてた。

日本に帰ってきて数年たった頃、野毛で呑んでいて目が覚めたら鎌倉街道沿いのバス停ベンチで寝ていた。途中の記憶も無い。もちろん何のロストも怪我も無かった。酔えるようにはなったけれど、これはちと情けない・・・。

Wednesday, January 31, 2007

眠れない・・・


SPAIN 1999
Gelatin Silver

眠れないので30日に書いた狂言について一つ加筆を・・・。

謁見撮影もほんの6カットで終わる、宮内庁がうるさいからね。それでもこれはゆるい方で、担当者によっては2カット撮ると制止してくる人が過去に居た。

この謁見の後撮るかも・・・と言うことで、襖越しに待機。演出・狂言指導の三宅右近氏の声が響く。右近さんはこの世界では名の通った超一流の方だ。しかしとてもユニークな方で、若い出演者達の打ち上げに進んで参加される。そういったざっくばらんなのが好きらしい。

聞こえた会話の中でとても印象に残っているのは、「こういうのは、練習しないとダメなんですよ・・・何度も何度も繰り返して練習し、初めて良くなる・・・」とおっしゃっていた所。

あ~っ、そうやって右近さんも先代から狂言を引き継いで来たんだなぁと思い、その言葉がず~んと響いた。

以前一度だけ打ち上げでお話をさせて頂いたが、自分の話をしっかりと聞いてくれ、右近さん独特のアドバイスをしてくれた。厳しい世襲制の世界に身を置く分、ピーンと張った雰囲気をまとった方だが、そんな時の右近さんは優しさがにじんでいる。

今度ゆっくりとお話出来る機会があったら、色々と伺ってみたい。

午後三時のバル


SAPAIN 1999
Gelatin Silver

最近たまに考える、若い頃よりも利害関係での繋がりが増えてきた。それは仕事中心の生活ではいたし方の無い事だと思う。

そんな中でも気が合って、お互いの立場を超えての関係になる事もある。そんな風に思って割と面倒を見ていた奴が居たが、えっ?と思うような事が最近あった。まあ結構腹も立ったが怒っても始まらない、自分が浅はかだったと言えばそれまでの事。上手く利用されたな~と頭をポリポリ・・・。

当然仕事での繋がりは未だにあるので、そ知らぬ顔で付き合っている。そんな自分を見て、へー結構演技派だなーと思う。が、目には目を・・・って気持ちが積極的では無いにしろあり、チャンスがあれば動くかも。

と言いつつすぐ忘れるタイプなので、まあ繰り返さないように気を付けるかな。

こんな煩わしい事は、宇宙の彼方に・・・。信頼できる連れと呑んだくれて過ごしたいものだ。

Tuesday, January 30, 2007

狂言


SPAIN 1999
Gelatin Silver

一昨日の日曜日、狂言の撮影があった。今でもお笑いは人気があるが、 これこそ700年続いた日本のお笑いの元祖だと思う。演目は柿山伏、文荷(ふみにない)、入間川の三つ。

所作、言い回し、どれをとっても面白く思わず笑ってしまう。今回はお忍びで皇族の方が来られた。舞台撮影は途中で切り上げ、謁見撮影の準備で待機。お陰で久々に、ゆっくりと控え室のモニターで見ることが出来たので、十分に笑わしてもらった。

何て言うのだろう、ほのぼのとしていて思わず笑ってしまう。遥か古の日本人って大らかだったんだろうなぁとつくづく感じる。そしてそれを観ていて楽しくなる自分は、やっぱり日本人。

写真のおじさんは少し鳥打帽を目深にかぶり直して、僕の目の前でポーズをとるかのように、くっと背を伸ばした。

ヨーロッパの人達はカメラを向けても殆どいやな顔をせず、快く撮らせてくれる。そんなヨーロッパの旅はとても楽しかった。

Monday, January 29, 2007

イルマーレ (IL MARE)

★★★★☆

1999年12月21日、ウンジェ(チョン・ジヒョン)は、一通の手紙をポストに残してイルマーレを去った。1997年12月、ソンヒョン(イ・ジョンジェ)は海辺の家に越し、そこをイルマーレ(海)と名づけた。クリスマスの日、彼は入り口にぽつんとある古風な郵便受けから妙な手紙を見つける。この手紙が全ての始まりだった。時を越えて出会った二人のラブストーリー。

いやーやられた、良――く練られた作品で映像がとっても美しい。正直、単純にチョン・ジヒョンが出ている事と、他の四本が洋物で疲れる?と思いアジア物も欲しいなーと借りた一本。旧作なのに3泊4日だと聞いて、結構人気あるのかなっ?と思ったが納得。

内容を全く知らなかったのでイントロでロスト。おいおい、時間軸が?何これ?戸惑ったが犬の足跡のシーンで追いつく。いい掴みじゃないですか。元々タイムトラベル系のSFなど大好きで、それに恋愛を絡めてこんな風にまとめてしまった監督は素晴らしい。各所に先読みさせるエッセンスが上手く散りばめてあり、どっちだ?どっちだ!どこ行くんだよ~!とハラハラしつつ期待感を膨らまして見ることが出来た。

どんな手紙のやり取りでも、お互いを知れば知るほど会いたくなるのが人情。ソンヒョンの思いは募っても、その時代のウンジェは彼を知る由も無い。思いを抑えきれずソンヒョンは駅にあるウンジェのお気に入りベンチで彼女を待つ、微笑み近づいてくる彼女に思わず歩み寄るが素通りされる。このシーンは分かっていても切ない。

えっ?駄目なの~~~?と思いつつ頼む、頼む!と力んで見ていた最後の15分。実際に起こりそうかもと思えてしまう位にすっと心に入ってくる作品で、お互いを繋げるものが手紙なのがいい。メールじゃあ絵にならないし、人の温もりが伝わりにくい。

韓国映画を見ていてよく思うのだけれど最初のシーンに伏線が張ってあって、最後にああっ!と思わせるものが多い。最近の中ではデイジーもそうだった。ラストシーンは、これからの二人の未来を予感させる中々の出来、内ポケットから彼が出したものは・・・。最近見たラブコメ系の中では最高の物語。

映画情報とお気に入りの役者

イルマーレ (IL MARE)(01)
イ・ヒョンスン監督
韓国

キム・ウンジュ役
チョン・ジヒョン
1981年、ソウル生まれ ど真ん中のストライク、会ってみたい。 僕の彼女を紹介します(04) 猟奇的な彼女(01) ホワイトバレンタイン(99)等

100年!!


JAPAN 2006
Gelatin Silver

人間どこまで生きるのか?頭の回転は相変わらず速い、祖母98歳。