Tuesday, February 06, 2007

オレンジカウンティ

(原題:Orange County)★★☆☆☆

成績優秀な高校三年生のショーンは、サーフィンとパーティーに明け暮れ、悩める母とジャンキーでアル中の兄、ボケ始めた義父を抱えながら無気力に日々を過ごしていた。そんな彼が浜辺で見つけた一冊のペーパーバックに魅了され、小説家を目指すようになる。小説家になるためにこの町を出なくていけないと思うようになった彼は、彼を魅了した作家スキナーが教鞭をとるスタンフォード大学に出願するが・・・。

取あえずB級よりの青春コメディ映画。日本人はB級というとバカにする人が多いけれど、意外とそこに本物のアメリカの姿が見え隠れしているものがある。これはそんな一本。主演のコリン・ハンクスはTVドラマ:ROSWELLのアレックス役の印象が強く残っている。

ここで言うカウンティは、一エリアの地域社会(村社会的なニュアンスが強いと思う)としての含みがあるだろう。閉鎖性こ本物のアメリカの姿であって、特に田舎は多くの日本人がメディア等を通して知っているようなアメリカとはかけ離れている。スポーツ、ドラッグ、SEX以外の楽しみはほとんど無く、周りの全てが知り合いでゴシップが絶えない。アンビシャスな子供達は他の町の優秀な大学に進学を希望し、それ以外は地元で就職、ハイスクール・スウィートハートと結婚し一生をそこで終える。これがステレオタイプなアメリカの田舎生活。 オレンジ・カウンティは恐らく南部の田舎のカウンティとは全てかけ離れているだろうけれど、基本的な感覚は似ていると思う。

ショーンがリッチな家庭の息子と言うのがカリフォルニアっぽい設定だなと思うが、ここには富裕層が割と住んでいるのだろう。その部分を除けば、彼や回りの子達もふくめ等身大のアメリカの一般的な高校生そのものだ。サーフィン、パーティー、チアリーディングに恋、誰彼関係なくつまみ食いする女の子、僕がアメリカにあこがれた頃の映画も同じだった。話はドタバタでめちゃくちゃだけれども、そのコアにはアメリカのユーモア、悲しさ、家族愛、時代的病などのディープな伏線がある。

映画として一番良かったシーンは、彼が本当は自分のコミュニティ、オレンジカウンティに住む家族と仲間を愛していると気付く所かな。ちょっとくさいけれど・・・。

Maybe another mixed-up kid will stumble upon it, and maybe it’ll change his life like it changed mine.

このナレーションは結構好きだ。最後はホッと胸を撫で下ろす物語。これよりももっとお馬鹿で、僕がはまっていた映画はBill and Ted’s Excellent Adventure (89) 。なんと若かりし日のキアヌ・リーブスが出てるよ。

映画情報とお気に入りの役者
オレンジカウンティ (02)
ジェイク・カスダン監督
アメリカ

ジャック・ブラック (兄のランス役)
1969年カリフォルニア生まれ。大好きな名脇役で歌も抜群に上手い。確かバンドに入っていたような記憶が・・・。
愛しのローズマリー(01) ハイ・フィデリティ(00) エネミーオブアメリカ(98) ケーブルガイ(96)他多数

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