Sunday, April 01, 2007

あれは何?


SPAIN 1999
Gelatin Silver

今日はいい天気なので、簡単な弁当を作って近くの山を散歩することに。野桜も満開で綺麗だったが、昨日の強風でかなり散ってしまっていたのが残念だった。なだらかなスロープだが30分も歩くと少し汗ばみだし、ちょうど富士山を一望できる休憩所に差し掛かったので一休みすることに。

風が心地よく肩をすり抜け、弁当を隣のベンチの上に置いて僕は横になる。いつの間にか寝てしまったが、ゴソゴソという紙袋を開けるような音で僕は目をさました。気になって頭を少し上げて音のするほうを見ると、僕の弁当をいれた紙袋が動いている?!ちょうど富士山に対して平行に横一列に並んだ木製ベンチ
で、僕は足元にある方に弁当を置いて寝ていたのだ。

ガバッと起きて見てみると、袋の動きが止まった。袋の入り口から何か平らな
どす黒い紐のようで根元は太く先っぽは尖った感じのモノがはみ出ている、よく分からないが生き物のようだ。ぬめっとした質感が蛇のようで気持ち悪かったので、僕は注意深くベンチの傍ににあった木切れを静かに拾った。

木っ端の長さは50センチ位、背もたれのある方から静かにほんの数歩程近づく。背もたれを真ん中に僕達の距離は1m弱、紙袋からはみ出した物体を注視しながら手を伸ばした。と、木っ端が紙袋に触れたとたん、シュルシュルッと鋭い音がして、ちょうど2リッターペットボトル位の黒い塊が紙袋から飛び出したので僕は驚いて後じさりした。


その黒い塊はもの凄いスピードで草むらの中に逃げ込み、ガサガサと草むらを掻き分け遠ざかっていく・・・。音が遠ざかって行くのをぼんやりと聞きながら、今見た生き物の事を考えた。

何だったのだろう?蛇でもない・・・、蛇にしては胴体らしき部分が太すぎるし短すぎる。ちょうど太い胴体の両端に頭部と細長い尻尾が付いているようだった。しかし何とも奇妙な生き物だろう。あんな生物は見たことがない。

もうそこに居ないのは分かっていたが僕は恐る恐る紙袋を持ち上げ、中にある弁当の包みをベンチの上に出してみた。バスケットを包んだハンカチが破けていたが弁当自体には被害はなかったのでホッとする。

気を取り直し、僕はせっかく作った弁当なので富士山を眺めながら平らげ、帰路につく。

家に着き念のため日付を確認すると4月1日だった。

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