Thursday, February 22, 2007

清水登之 (Toshi Shimizu)


FIGHTING ARTIST
JAPAN 2004
Gelatin Silver

日経で見つけて気になっていた展覧会に行って来た。しかし宇都宮は遠い、家を7:00過ぎに出て栃木県立美術館に着いたのは11時頃で早速見て回る。

非常に気になる強烈なインパクトのある作品が数点。全体を通して彼のサブジェクトに対する距離感が、僕のソレとよく似ていると感じた。描いている世界に愛情を持ち関心があるにも拘らず、そこから距離を置きガラス越し、あるいは俯瞰で全体をぐるっと静かに見ている様な感じ。孤独な距離感。

彼は色々な国に行っており、アメリカ、フランス、中国、東南アジア・・・など多数。戦争にも参加していてサブジェクトは多岐にわたっているが、全体的に人類に対する愛情を感じる。その中でも僕が特に気になって、暫く見入っていたのは彼が日本に帰って来た直後に描いた「地に憩う」と「江南戦場俯瞰」。

地に憩うは、僕が日本に帰って来た時と同様に、己の国に対する外国人的な新鮮な印象と、やっぱり日本は良いな~としみじみとした感情が他の絵とは違った出方をしていて非常に興味を覚えた。この作品については、僕の中で未消化な部分がある。

江南戦場俯瞰は、一瞬絵の平坦さに驚き、何だ?と思うが目を凝らしてみるとそこから戦争の爆撃音や硝煙の匂い、町全体の混乱と恐怖がリアルに伝わってきて、自分が体感しているような錯覚に陥るくらい凄い。ゲルニカの様にグロテスクなものは一切描かれて無いのに、感覚的に恐怖が伝わる。

当たり前ながら、日本にも凄い絵描きが居るなあと改めて思った。片道4時間かけた甲斐はありました。

もう一つ、二階に牛ちゃんのモーターサイクル・ママがあった。1973年の製作で馬鹿でかく、エネルギーが溢れ、まだそんなに色を施していない物だけれど存在感十二分。知り合いの作品に思わぬ所で出会って笑みがこぼれた。

美術館の庭に出てボーっとした後、みんみんで焼きとすい餃子を一人前ずつ食べて帰ってきた。中々美味しく、ご飯とザーサイ付きで540円。

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